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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「狐火の家」 貴志祐介 角川書店 2008/3/31発行

角川書店HPより:『硝子のハンマー』の興奮再び! 防犯探偵・榎本が4つの密室に挑む!
長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが……(「狐火の家」)。表題作ほか計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む、防犯探偵シリーズ、第2弾!

感想:表題の「狐火の家」は前回の硝子のハンマーと同様に2部になっていて、事件の発見から榎本たちが真相を見ていくまで、2部目は犯人の行動というパターン。
これも前回と同じで追い詰められた犯人が人を殺してしまうというのがどうにもやるせない。
他の三作についてはストレートに話がすすむ。
ここでも探偵役の榎本の膨大な知識と理詰めで事件の発生を考えていく手順は「硝子のハンマー」と同じ。
硝子のハンマーよりは読みやすかったかも。(笑)。

理詰め、情報詰めの流れを面白いとみるかどうかは、読み手にかかってるのかもしれないなあ。

ちなみにこのシリーズ第四弾まで出ているそうだが、少しお休みにして、次は別の本を借りよう。

以上。

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「硝子のハンマー」 貴志祐介 角川書店 2004/4/20

角川書店HPの紹介文より:日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて……。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。

感想:貴志祐介の本、2冊目。
前回の「新世界より」が余りにも長く感じてしばらく敬遠していた(笑)。
たまたま図書館HPの検索リストに載っており、見てみると、この作者が市内に住んでるのがわかった。それで少し興味が出て、別の本を読んでみようとチャレンジで借りたもの。

物語はトントンと進んでいき、探偵役の榎本の緻密な推理で一つ一つ可能性をつぶしていって犯人の行動に迫るという流れ。物凄く細かい描写がやっぱり「新世界より」の細かさを思い出させる。しかし流れとしては面白い。
ただ、これで解決か?と思ったのが物語の3分の2くらいのところで、そこで榎本が何か大きな勘違いをしている、というところで第一部が終わる。

あれ?っと思ったら第二部では関係がないような話から始まる。
まるで何か別の物語かとしばらく読み進んでいく。第二部の主人公の事がこれまた子細に描かれていて、そこから冒頭に出てきた事件現場の目撃者へと繋がって、犯人がどんな理由でどんなトリックで事件を起こしたのかが、詳細に分かる。

なので探偵ものとしては珍しい構成になってると思う。
事件のトリックよりも榎本のマニアックなまでの知識と行動が興味深くて読んでいくのかも(笑)。

ちなみにこの作者が阪神大震災を舞台に書いたミステリーもあるのだが、まずは探偵もので頭を慣らしてからのほうがいいかと思ってこちらを借りた。
なおこの本は「榎本シリーズ」の第一作目。これが読めたのでシリーズの次の本も図書館で予約中。

以上
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「銀河不動産の超越」 森博嗣 文藝春秋 2008/5/30発行

文藝春秋単行本帯より:危険を避け、できるだけ頑張らずにすむ道を吟味し、最小限の力で人生を歩んできた高橋青年。彼の運命を変えたのは、入社した「銀河不動産」だった。

“省エネ青年“の運命がある日一変

講談社文庫版の紹介文:気力と体力不足の高橋が、やっと職を得たのは下町の「銀河不動産」。頑張らずに生きる――そんな省エネ青年を訪れる、奇妙な要望をもったお客たち。彼らに物件を紹介するうちに、彼自身が不思議な家の住人となっていた……? 「幸せを築こうとする努力」が奏でる、やさしくあたたかい森ミステリィ組曲。(講談社文庫)

感想:前々から図書館で見かけるたびに気になっていたので、もしかしたら気軽に読めるかなと思って借りた本。
まあ、色々とツッコミどころはあるけど、さらっと読めてところどころクスっと笑える本。読んでいて笑える本に出会ったのは初めてかもしれない? まあ、それくらい面白かった。
とんでもない人々が出てきて、とんでもない展開になっていくのだけど、それはまるでコメディドラマを見てるような感じにもなった。

でも一番思ったのは、これって「長靴を履いた猫」みたい話だな〜、と言うことでした。
長靴を履いた猫に出てくる男が、猫の知恵で言われるままに行動してどんどんと上手くいく。
それを思い出してしまった。

最後の方に出てくる、まあまあ良さげなセリフです。

「日々、きっかけはある。石ころのように、道すがら、どこにでも沢山落ちているものです。たまたまそれが自分の足に当たって、蹴飛ばしてしまう。立ち止まって、小石がころころと転がるのを眺める。そこに目を止めるんですな。けれども、まあ、多くは、すぐに目を逸らしてしまって、そのまま歩き続けるでしょう。そういうのがほとんどです。ところが、そこで一歩立ち止まったことで、もう人生は別のものになっている。立ち止まったことで、その先の信号で渡れなくなる。すると、乗りたい電車に乗れなくなる。しかたがないから時間を潰す。そこで誰かに出会うかもしれない。そうやって、どんどん違う人生になっていくのです。あの小さな小石がもし道い落ちていなかったら、今の人生にはならなかったってことになりますね」

「人はね、きっかけのせいで幸運を掴むのではない。(後略)」

「どういうわけは、人間というのはね、自分のせいにしたがらない。良いことも、悪いことも、自分の力によって引き起こされたものだとは思わないようにしようとする。神様や悪魔を作って、これは運命だと思いたがるものなのです。さっきは石ころのせいで人生が変わる、なんて話をしましたが、もしその石ころがなくても、きっと別のきっかけを掴んでいたでしょう。多少早いか遅いかの誤差が現れるだけのことです」(pp259〜261)

このセリフが締めくくってくれるようなお話でした。

さて、この話に猫は出てこないけど、みんなが「猫を被ってる」と終わりの方に書かれてる。
なのでまるっきり猫が出てこないわけじゃないかも(笑)。

以上
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