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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「掌の中の小鳥」 加納朋子 東京創元社 1995/7/1

創元社HPより:カクテルリストの充実した小粋な店〈エッグ・スタンド〉の常連は、不思議な話を持ち込む若いカップルや何でもお見通しといった風の紳士など個性派揃い。そこで披露される謎物語の数々、人生模様のとりどりは……。キュートなミステリ連作集。

感想:まず、加納朋子がこういった恋愛要素のある話を書いていたというのが少し驚き。今まで読んできた作中では恋愛っぽい作品がなかった。たまたま読んでなかっただけなのかもしれない。

まあ、恋愛といっても友達以上恋人未満的な付き合いの主人公二人。
その日常のなかにちょっとした謎を、エッグスタンドで話しながら解いていくというスタイルが各章に貫かれている。
それぞれの章毎に違う謎があり、主人公の冬城圭介が 穂村紗英から聞かされた謎話を解いていくというもの。

ただ登場人物でいえば、主人公たちよりもエッグスタンドのバーテンの泉さん(女性)が一番面白かったかな。

面白く読めたのだけど、書かれた時代を感じてしまった。
1995年の発行なので、バブル期の雰囲気が 穂村紗英やそのほかに出てくる女性たちの服装や言い回しなどが随所に出てくる、って思えてしまうのは歳のせいかな(笑)。
なのでこれを読んで面白と思える年代層があるのかもしれないなあ。

今まで読んだ中では、こんな具合に時代を感じさせる作品って少なかったと思うので余計にそう思ったのかもしれない。

でも、この作者は割と好きなので、読み残した本を探して少しずつでも読んでいきたいなとおもっているのでした。

以上。
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「猫と針」 恩田陸 新潮社 2008/2/20発行

新潮社HPより:
高校時代の友人が亡くなり、映画研究会の同窓生男女5人が葬式帰りに集まった。小宴がはじまり、四方山話に花が咲くが、どこかぎこちない面々。
誰かが席を外すと、残りの仲間は、憶測をめぐらし不在の人物について語り合う。
やがて話題は、高校時代の不可解な事件へと及んだ……。
15年前の事件の真相とは? 
そしてこの宴の本当の目的は? 
著者が初めて挑んだ密室心理サスペンス劇。

感想:
2026/05/02の読書ノート26-19「朝日のようにさわやかに」の短編集に入ってる「楽園を追われて」と同じモチーフだ、と図書館の紹介文を見て思った。もしかしたらその続き的なものが書かれてるのかと思って借りた。

しかし「楽園を」は『葬式帰りの中年男女四人が、居酒屋で何やら話し込んでいる。彼らは高校時代、文芸部のメンバーだった。同じ文芸部員が亡くなり、四人宛てに彼の小説原稿が遺されたからだ。』であり、こちらはもっと作りこまれた作品になっている。

何より大きな違いは、これが舞台演劇の戯曲として書かれたものだったということ。
本を開いてから、役者のセリフがつらつらと並んでいる。
ほとんど会話だけで話は進むものだが、時折入るト書きで状況は把握できるのが面白い。

そいう言えばもうずいぶん若い頃、一時期、戯曲を続けて読んでいたことがあって、
の頃のことを思い出してしまった(笑)。

作品は、5人しか出てこない演劇。という閉じられた空間での物語で、何が起きているのか5人が疑心暗鬼になりながら探っていくという心理劇。
ただしこの5人の中で大きな事件が起こるわけでもなく、日常の延長線上の出来事のよもやま話から時間をさかのぼって深まっていくのが面白い。

そして高校時代の事件がなんなのか? はっきりしない点が残るけど、それですら時間の中にうもれてしまうんだろうなって思わせてくれる最後のモノローグ。

このあたりが恩田陸的なのかな? とも思ってしまった。
それが面白か面白くないかは読み手の判断に任されてる。

最後に筆者が戯曲を書くことになったいきさつとか、進行具合について「猫と針日記」という書き下ろしがおまけのように(笑)収められてる。
その中でなぜこんなタイトルになったのかが書かれているが、筆者もよく分かっていないらしい(笑)というのが一番面白かった。

以上
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「箱庭図書館」 乙一 集英社 2011/3/30発行

集英社HPより:少年が小説家になった理由。ふたりぼっちの文芸部員のイタい青春。【物語を紡ぐ町】を舞台にひろがる、6つの物語。ミステリー、ホラー、青春、恋愛…乙一の魅力すべてが詰まった傑作短編集!

補足:この短編集は、読者からアイデアなどを募集してそれを作者・乙一(おついち)が短編集にするという企画からできたものだそうだ。

感想:読み始めて、何だかちぐはぐな気がする内容だなと思って、我慢しきれずにあとがきを読むと、補足に書いたようなことを作者自身が書いてあった。
なるほど、作風というかアイデア的になんかばらばらだと思ったらそういう事だったんだ。

原作が読者で、それを作者が箱庭のように一つの舞台(この場合は図書館がある文善寺町で「物語が紡がれる町」というキャッチコピーまで擁してあるという細かさ)での6つの物語に仕立てているのだ。

それぞれに出てきた登場人物は別の話でも出てくる。そういった繋がりが作者が「紡いだ」ということなのだろう。あとそれぞれの話に出てくる小物やら話に出てきた情報も入り組んだ形で織り込まれてる。

個々の作品としてはワンダーランドがミステリーもので面白かった。ラストのどんでん返しちょっとやられた感があって、う~むと唸ってしまった。これは原作のアイデア勝ちだろうなあ。

ただ、全体的な統一感が薄いのが残念だったかな。

そもそもこの乙一という作者の事は全く知らない。
図書館の本棚で背表紙をみて、「箱庭」という字に惹かれて借りたのだ(笑)。
いや、そういうのはやめておこうとは思ったんだけど、読みたいと思った本が並んでなかったのでたまたま目に入ったのを借りたのだ。

まあ、この人本来の作風ではないようなので、次に借りるかどうかは気分次第?

以上。
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