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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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十角館の殺人 <新装改訂版> 綾辻行人 講談社文庫 1987/9 新装改訂版は2007/10/16

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。(講談社文庫)

感想:綾辻行人の本を読むのは2冊目だと思う。一冊目に読んだ本がホラーだったので、余りに強烈過ぎて次を読む気がしなかったのだ。
という経緯があったの、この作者の事を知らないままでいたが、面白い推理小説ということで図書館で予約したのが昨年の6月。それから実に9か月待ったわけですね。いや~、長かった(笑)。
本作が1987年のデビュー作だそうで、当時はかなり騒がれていたというのはあとがきや解説に書かれていた。1987年初版の割にはいまだに人気があって今でも順番待ちになっている。

物語の内容から1980年代後の人々の雰囲気をひしひしと感じるし、文体というか全体的に今風じゃないなあとは思った。

でも内容は今読んでも面白い推理小説。孤島で事件が起きて次々と人が亡くなっていくという、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」に似たような話ではあるが、それ以上に臨場感があるし、読み進むにつれて誰が犯人なんだろう? といちいち立ち止まって考えるのも楽しい。

そして孤島での登場人物がすべていなくなったあとでのどんでん返しもアッと言わされた。
そこには叙述的なトリックというか、読み手の思い込みもあったりして、え~~~~っと思ってしまうんだろうなあ。

まあ、確かに面白かったので、デビュー当時の良しゴタゴタがあったというあとがきと解説はスルーした。
作品自体はとても楽しめたのでそれで良し^^。

以上
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「ふちなしのかがみ」 辻村深月 角川書店 2009/6/30出版

帯より:
この学校の花子さんは、昔、音楽室の窓から飛び降り自殺をした少女の霊です。花子さんは階段にすんでいます。その階段を一生懸命掃除すれば、花子さんに会うことができます。
でも花子さんがくれる食べ物や飲み物を、口にしてはいけません。花子さんの質問に、嘘をついてもいけません。さもなくば、あなたは呪われてしまいますーー。

ある時を境に消えた友達、鏡の向こうに見えたいつかの私。

異世界へとつながる扉を開けたときのことを、あなたは覚えてますか?

(帯にはこの他に 「青春ミステリの気鋭が初めて封印を破った現代の怪談」というのもかかれていた)

感想(長文):前回の「きのうの影踏み」が読めたので、もう一つ怪談系も大丈夫かなと思って読んでみた。短い5つの話からなる作品集。

幽霊などが出てくるのは一作目の「踊り場の花子さん」と最後の「八月の天変地異」。
「ブランコをこぐ足」はこっくりさんに呪われる的な話。
「おとうさん、したいがあるよ」は、何がどうなってるのか分からない話。
「ふちなしのかがみ」は夜中に鏡に自分の未来が見えるというところから始まる話。
この3篇は人しか出てこない。

この中で「おとうさん・・」は読んでいても何がなんだかわからなかった。でもここで投げたら試合終了なのでちょっと真面目に考えてみた(笑)。

これは主人公と両親が祖父母の家を片付けていくと、あり得ない場所からしたいが次々と出てくる話。主人公と家族はそれを何とかしなくてはと動くが、次の日になってみると家族は何もなかったよう過ごしてる。

本人だけが覚えていて、周りが変になったように書かれているんだが、実は主人の意識がおかしくなっている。この話は見方を変えなくてはいけないのだろう。
作中にはもしかしたら主人公が異常をきたしたきっかけに繋がる事も出てくる。

それらを合わせてみて、この作品は人間の意識(脳の機能障害)で生じる現象(つまり病症)を書いてると考えた。うん、心理学的に見てみると納得いくところがいくつもある。(かがみの孤城でも感じたが、作者はある程度心理学を学んでるのでは、と思ってる)

それにあえて名前を付けるのなら、主人公が感じる怪談話になるんだろう。しかし最後に主人公はまたのっぺりとした感情に戻ってしまう。これも脳機能のブレによるものとも考えられる。
これは異常をきたした脳がどういったことを認識するのかを描いた怖さなのか、という解釈。

「ふちなしのかがみ」もこれと同じで、「精神に異常をきたした(これは最後にわかる)」主人公が正常な判断が出来なくなって悲劇を招いてしまうという話。それを全く認識できない主人公が悲惨だ。
「おとうさん・・」よりもいろいろな情報というかパーツが散りばめられていて、最後の数行で主人公が誰なのかがわかると同時に主人公がどうしてこうなったのかも一気にあらわになる。これはすごく上手いなあと思った。

「八月の天変地異」は幽霊が出てくる話なのだけど、1月に読んだ「きのうの影踏み」の中の「ななつのカップ」にも通じるような、幽霊だけど出てきてよかった、ちょっとホッする感じの話になってる。

どの作品も現代の闇というか心の暗闇のが描かれている。それそのものが現代の怪談なのかもしれないなと思うのでした。

以上
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「意識のリボン」 綿矢りさ 集英社 2017/12/10出版

帯より:
「幸せな、愛されていたときばかりではないんだ。
 しかしそれは落ち込むようなことではない。
 人間は浮き沈みがあってこそ、
 深く学び、深く輝く。」(意識のリボン」より)

 迷いながら、
  揺れながら、
   不器用に生きる
   女性たちへ。
     愛をこめて
     贈る物語。

感想:この作者2001年の「インストール」という作品で文藝賞を受賞した高校生、というのをニュースで聞いたのを覚えているが、読んだことはなかった。

今回図書館でたまたま手に取ってみて、7篇の作品が目次にあったので短編ならお試しでいいんじゃないかと選んでみたのがこの一冊。
図書本なので帯はついていない状態で、全くどういう内容かわからずに読み始めた。

一つめの作品を読んで、これは短編なのか? それともエッセイなのか? わからなくなってしまった。
登場人物のぼんやりした感情や心の内を次から次へと紡ぎ出すという書き方で、何が主題なのか焦点が絞れない。ただただぼわっとした違和感というか澱みのような思考を次々と巡っていく。

そのあいまいさは別として、全体的に男性が読む内容でもないなとは思った。
そして全部読んでみて、ああ、そうなんだ、そういうあやふやでぼやけた感情や心理を書いてるものなんだとわかった。
でもこれが本当に小説なんだろうか? とも思ってしまった。

表題の「意識の リボン」は主人公が事故にあって臨死状態になったという内容。
その生死があいまいな状態の中で意識が過去の様々な出来事にたどり着いたり、亡くなった母親に会ったり。
でもこれも本当に小説と呼べるのだろうか? と思ってしまった。
こういう臨死体験とかのあるあるだなと思う内容になっていて。よくある臨死状態の話をまとめただけにも思えてしまった。

うーん、どれも不思議な世界観。
物語なのに物語性が見えてこない五里霧中。

こんなスタイルの内容、書き方もあるんだというのは勉強になった。
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