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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「硝子のハンマー」 貴志祐介 角川書店 2004/4/20

角川書店HPの紹介文より:日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて……。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。

感想:貴志祐介の本、2冊目。
前回の「新世界より」が余りにも長く感じてしばらく敬遠していた(笑)。
たまたま図書館HPの検索リストに載っており、見てみると、この作者が市内に住んでるのがわかった。それで少し興味が出て、別の本を読んでみようとチャレンジで借りたもの。

物語はトントンと進んでいき、探偵役の榎本の緻密な推理で一つ一つ可能性をつぶしていって犯人の行動に迫るという流れ。物凄く細かい描写がやっぱり「新世界より」の細かさを思い出させる。しかし流れとしては面白い。
ただ、これで解決か?と思ったのが物語の3分の2くらいのところで、そこで榎本が何か大きな勘違いをしている、というところで第一部が終わる。

あれ?っと思ったら第二部では関係がないような話から始まる。
まるで何か別の物語かとしばらく読み進んでいく。第二部の主人公の事がこれまた子細に描かれていて、そこから冒頭に出てきた事件現場の目撃者へと繋がって、犯人がどんな理由でどんなトリックで事件を起こしたのかが、詳細に分かる。

なので探偵ものとしては珍しい構成になってると思う。
事件のトリックよりも榎本のマニアックなまでの知識と行動が興味深くて読んでいくのかも(笑)。

ちなみにこの作者が阪神大震災を舞台に書いたミステリーもあるのだが、まずは探偵もので頭を慣らしてからのほうがいいかと思ってこちらを借りた。
なおこの本は「榎本シリーズ」の第一作目。これが読めたのでシリーズの次の本も図書館で予約中。

以上
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「訪問者」 恩田陸 祥伝社 2009/5/20

「そで」(カバーの折り返し部分)より:
山中にひっそりと佇む古い洋館ーー。
三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千紗子が建てたその館に、朝霧家の一族が集まっていた。
千紗子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。
晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。
「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」
孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?
一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!
冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。
数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた・・・。
果たして「訪問者」とは誰か? 千紗子と昌彦の死の謎とは?
そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴ったーー。
嵐に閉ざされた山荘を舞台に、思考のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。

感想:推理サスペンス物。各章の1行目が「・・を告げるベルが鳴った・・」で始まる。
そして全部で六章あるそれぞれの題が全部ひらがなで書かれていて、それが童話や絵本のタイトルになってる。(一作だけ知らない絵本があったが、検索してみた)章のタイトルがその内容を暗示させるものになってる。
始まりは、昌彦の遺書をもった弁護士が館を訪れて、誰が昌彦の父親なのかの話になるが、ベルがなる度にどんどんと不穏な出来事が起きていく。
誰が何のために? そして千紗子と昌彦は本当に事故で亡くなったのか?と言う話に広がっていく。
面白い展開だったけど、途中の訪問者が突然探偵役になって推理が始まるのがちょっと唐突かなあと思えた。
しかし、最後のどんでん返しが今まで読んだ事がない展開だったので、『うわ〜、やられた』と思ってしまった。(笑)

恩田陸ってこういう推理ものも書くんだなあと思った作品でした。

以上。
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「すみれ荘ファミリア」 凪良ゆう 講談社タイガ(文庫) 2021/5/14

裏表紙より: 下宿すみれ荘の管理人を務める一悟は、気心知れた入居者たちと慎ましやかな日々を送っていた。そこに、芥(あくた)と名乗る小説家の男が引っ越してくる。彼は幼い頃に生き別れた弟のようだが、なぜか正体を明かさない。真っ直ぐで言葉を飾らないあくたと時を過ごすうち、周囲の人々の秘密と思わぬ一面が顕になっていく。愛は毒か、それとも救いか。本屋大賞受賞作家が紡ぐ家族の物語。

感想:凪良ゆう作品で、2冊目の読了。前回の「わたしの美しい庭」と同じような構成かなと思いながら読んでゆく。主人公の一悟とか登場する人物が、近しい住人というのが似ているし、話の展開もそこに出てくる住人の話で章が進んでいく。どうしても「わたしの・・」と比べてしまいながら読んでしまう。

ところがこちらはところどころ不穏な動きや言葉のやりとりが鋭い。どんな人も隠してる面がある、というようなことが作中で書かれてるが、少し前の言葉で言うなら心の闇だ。それが物語を進めている。

「わたしの・・」がほんわり系に近いとすると、こちらはサスペンス的な要素がたくさん含まれていて、展開が気になり、一気に読んでしまった。

物語を通して、スマホやらSNSやら裏アカなど、いかにも現代を象徴するようなことがいくつも出てくる。そしてラノベやらPMSやらテレビ業界の話やらネグレクトやらがそれぞれが章のキーになって話が展開するのが現代なんだな〜と感じる。
それについていけない主人公、一悟の抱えてるものも全体を通して少しずつ出てくるのもうまく書いてるなあという感じ。

それでもサクサクと読めるところも今風なんだろうなあ。

以上
PS この作者の本はもう一冊「神様のビオトープ」という本を貸出予約を入れてある。
元々こちらを読みたくて予約を入れたけど、まだ1、2ヶ月先になりそう。

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