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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「八月の御所グラウンド」 万城目学 文藝春秋 2023/8/10

文藝春秋HP紹介より:第170回直木賞受賞作! 感動、感涙の傑作青春小説
死んだはずの名投手とのプレーボール
戦争に断ち切られた青春
京都が生んだ、やさしい奇跡

女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。

京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは--

今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない
青春の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る感動作2篇

第170回直木賞を遂に受賞!

目次
十二月の都大路上下(カケ)ル
八月の御所グラウンド

感想:この人の本を読むのは初めてで名前の読み方もわからなかった。
万城目を「まんじょうめ」と呼んでいたが「まきめ」だと後で知った。

内容に関しては紹介にある通り。
舞台が京都なので、所々に見知った地名が出てくるのも楽しい。
そして、御所にグラウンドがあるというのは初めて聞いた。
知らなかったわ~。

京都が舞台の話なのでそれだけでも楽しめるが、
内容的に霊が出てくる系のファンタジーで、それはそれで面白かった。
しかし話としては「十二月の都大路」のほうがまとまっていたと思う。
「八月の・・」はラストが読み手に任されているような
結末のぼやけた終わり方なのがちょっと残念だったかな。

また機会があればこの人の作品ももう少し読んでみよう。

以上
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「私の家では何も起こらない」 恩田陸 メディアファクトリー 2010/1/8発行

KADOKAWA HPの紹介文より:小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。ようこそ、恩田陸の幽霊屋敷へ!
小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。キッチンで殺しあった姉妹、少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年…。そして驚愕のラスト!

注:この本は2010年にメディアファクトリーから単行本として出版され、その後2016年に角川文庫として出版。単行本の紹介がなかったので、文庫本の紹介を載せる。

感想:丘の上の古い家での出来事が連作で収められている。
最初と最後の作品だけ同じ主人公(作家)だがそのほかはそれぞれ中心人物が違い、ほとんどが中心人物の語りで話が進む。
読んでいくと、この古い家はここで亡くなった人たちの幽霊が集まっている(残っている?)場所で、そこを買って暮らしていくと作家にその幽霊たちの思い出というか思念伝わってきてるというのが最後にわかる。
最初と最後以外は、時代が分からない。
そしてそれぞれかなり酷い死に方をして幽霊として家にいる話なので、正直あまり気持ちがよいものではないのだが、どこか夢の中の出来事のように書かれてると思えてしまう。

この作家の章のあと、附記という章があって、そこにこの連作を読んだ人物がいろいろと考察をしていく。という変わった章が設けられている。
そこで夢についていろいろと書かれているのだが、この小説は夢なのかと考えていく。
その中に「胡蝶の夢」が出てきて、それになぞらえて、この小説ももしかしたら誰かの夢なのかもしれない、あるいは自分自身も夢の中にいるのかもしれないと考えながら章が閉じる。(p198)

読み終えてみて、この作者は、もしかしてこういうホラー系の話を描く際に夢に何かしらのヒントを得てるんじゃないか? と思った。
前に読んだ「夢違」でも少し思ったが、作品を読んでいると時間や場所が失せいくような不思議な感覚になってしまう。
時間や出てくる人の不確かさなどがまるで夢幻に思えてしまうのでした。

そもそもこの物語の舞台がどこなのかもはっきりしない。読んでいると何となくイギリスなのかなとおもうような描写があったりするけど、どことは書かれていない。黒兎がこの丘にいるとか、クリスティの名前が出てくるとかでなんとなくそう思うのかもしれない。その不確かさも夢を思わせているのだろう。

面白かどうかでいえば首を捻ってしまうけど、話の内容より書き方が興味深い、不思議な作品でした。この作者のホラー系をもう一つ読んでみて夢が関係してるか見てみたいと思う。

以上
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「風の十二方位」 アーシュラ・k・ル・グウィン 早川文庫 1980/7/31

作品について:ル・グウィンの初期短編作品集。1962年から1974年に発表された短編集のなかから17編を選んでまとめたもの。
作品はいろいろなスタイルのものがあり、SFっぽいもの、ファンタジーもの、思考実験的なものなど。前回の「ローズ・コンパス」よりもかなり読みごたえがあったが、作品一つ一つが分かり易い?と思えるし面白かった。
この中のファンタジーものはのちにゲド戦記のシリーズにつながるような内容。

感想:前回読んだ「ローズ・コンパス」と同じく、ようつべでこの短編集の一作について語っていた動画があって、調べてみるとル・グウィンだった。その短編が「風の十二方位」に収められているのがわかったので図書館で借りた。

作品名は「オメラスから歩み去る人々」で、あらすじを紹介すると:
人々が幸せに暮らすオメラスという町がある。そこで人々なにものにも縛られない自由な生活を王も権力もない「オメラス」で暮らしていた。しかしこの街のどこかの地下室に、子供が一人閉じ込められてひどい仕打ちを受けている。だが、町が自由で人々がそれを味わう条件として、この子供が閉じ込められていることが絶対条件だった。
オメラスに暮らす人々は、この子供の事を知っているが、この子を助けようとか救おうとする人はいない。それはこの子供を助けることで、オメラスは終わってしまうからだという。
しかし、何人かの人たちは、この子供の事を知った後で、いろいろと考えて街を出て行ってしまうのだが、その人たちはどこへ向かうのか、二度と戻ってこなかった。
出て行った人がどこへ向かうのか、みなバラバラな方向へ歩いていくが、それでも足取りはしっかりとしていた。

というかなり重い内容だが、このあらすじを聞いて誰が書いたのかわからないけど読んでみたくなったのだ^^;。


この短編の各作品の前に、ル・グウィン自身が紹介文を書いていて、どういう作品なのかどういう視点で書いたのかがわかって、それで読みやすかったのかもしれない。

さて、他には、SFとしてもかなり面白いものがいくつもあったし、久しぶりにゲド戦記も読み直してみようかと思ってしまった。

以上
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