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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「ごんぎつねの夢」 本岡類 新潮文庫 2024/5/1発行

裏表紙より:
15年ぶりのクラス会にキツネ面の男が乱入し、散弾銃を発砲した。
SATにより射殺された犯人は、なんと恩師だった。
幹事の有馬に託されたメッセージは「ごんぎつねの夢を広めてくれ」。
次第に見えてくる恩師の過去、名作「ごんぎつね」にまつわる哀しい史実、消えたかつての同級生の秘密……。
探索の果て、周到な計画と謎の原稿に隠された真相が明らかになる。切なさと希望に満ちたミステリー

感想:第一章でキツネ面の男が登場して射殺されてという件ですでにこれがごんぎつねの終わりを模した展開だと気がつく。
その後、フリーライター有馬が恩師でありキツネ面の男に託されたメッセージを元に色々と調べはじめ、少しずつ色々なものが見えてくる。
その中で、恩師が周到に用意していたヒントがいくつも出てきてそれを元に辿り着いた先に見つけたのが「ごんぎつねの夢」という原稿だった。
それをフリーライターとして本にして出版することになるのだが・・・。

冒頭からなんだか作品中に寂しさとか孤独とか、そういう感情が盛り込まれているようで、そちらに随分と引きずられた気もしたなあ。

そして、この恩師のメッセージは何を意味していたんだろうなあと読み終わった後に改めて考えさせられたのでした。

新美南吉のことを調べあげて書かれたのがよくわかる。
時間をかけてノンフィクションの部分を作品の下敷きとしていて、
相当な労力があったんじゃないかな〜と参考文献を見て思ったのでした。

この人の本はもう一冊読んでみようかなと思いました。

以上
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「歩道橋シネマ」 恩田陸 新潮社 2019/11/20

新潮社HPの紹介文:
かつて大事にしていた記憶に出会えると――。郷愁と不思議に彩られた表題作。学園のおぞましい秘密「球根」。偶然出会った光景が物語を生成する「皇居前広場の回転」。ある青年の死をめぐって驚愕の真実が明かされる「降っても晴れても」。憧憬、恐怖、諧謔、戦慄、衝撃、恍惚……あらゆる感情が押し寄せる小説の奇跡、全18話。

感想:恩田陸の短編集の第四弾だそうです。この人の短編集はものすごくサクサク読めます。短い作品で、しかも作品ごとにバラエティがあるので、気分転換にはちょうど良い。

この作品にも筆者のあとがきが作品毎にあって、それを読んでから話を読むと、なるほどこういう趣旨で書かれた作品なのかと分かるのが面白い。

いろんなジャンルの詰め合わせの短編集だけど、サスペンスやホラーよりも何気ない日常の一コマを描いたような作品が気に入ってます。
この短編集だと「線路脇の家」「楽譜を売る男」と表題の「歩道橋シネマ」がよかったかな。

特に「歩道橋シネマ」はなんとなく安房直子の「きつねの窓」という童話を思い出しました。
「きつねの窓」の恩田陸バージョン的な感じに思えてしまった。

この人、いろんなジャンルを書いてるけど一番良いのはやっぱり日常的な出来事の作品かな。これまで何作か読んでみてそう思いました。
長編だと「夜のピクニック」が良いです。これも高校生の日常の一コマの作品って言えるかな
去年の10/31に読書ノートをアップしてあります。

以上

PS 感想から外れますが「きつねの窓」は10代のころに読んだ童話で、ものすごく好きな話です。いろいろな人に読んでもらいたい、と思います。

こちらはようつべの動画です。
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「アリス殺し」 小林泰三 東京創元社 2013/9/20

東京創元社HPの内容紹介:
最近、不思議の国に迷い込んだアリスという少女の夢ばかり見る栗栖川亜理(くりすがわあり)。ハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見たある日、亜理の通う大学では玉子(たまご)という綽名(あだな)の研究員が屋上から転落して死亡していた──その後も夢と現実は互いを映し合うように、怪死事件が相次ぐ。そして事件を捜査する三月兎と帽子屋は、最重要容疑者にアリスを名指し……邪悪な夢想と驚愕のトリック! 解説=澤村伊智

感想:こちらは今年の4月に借りた「ティンカーベル殺し」を含むシリーズの一作目の作品。
もともとこちらを先に読みたかったが、なかなか順番が回ってこないので先に目に入った「ティンカーベル」のほうを借りて読んだのだった。

それを今回、ようやく借りることが出来たのでした。
さすがに第一作目ということで、書き出しとか説明的な部分が丁寧だなあと思いながら読んでいた。
作品の流れとしてはシリーズだからなのだろう、
ティンカーベルと同じような構想になっていて、
夢の世界と現実の世界の二つで事件が起こるというもの。
そして夢の世界で死ぬと、現実でも何らかの事故にあって死ぬ。
それを何とかして止めようとして主人公たちが活躍する内容になってる。

ただ、作中でどんどんと人が死んでいく様がかなり悲惨で、
最後のほうは読むのが少し嫌になっていた。
ラストに大きなどんでん返しもある。
けれどそこへ至るまでの人物の亡くなり方があまりにも陰惨な事もあって、
どんでん返しかき消された感じがする。

あと、この「アリス・・」では「夢」だと思っているおとぎの世界が主で、
大学生活を送っている主人公たちのほうが、実は夢という設定にもなっている。
そういう世界観で締めくくられるのは「胡蝶の夢」のようでもあるなと思った。

ここに出てくる「夢」の世界は、「不思議の国のアリス」の世界なのだけど、
その中での出来事は夢というよりも悪夢であり
ミステリーというよりもホラーに近いと思った。
ということでいろんな意味でこわすぎるので、この人の作品を読むのはこれで終わりにしようと思ったのだった。

以上。
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