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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「夢違」 恩田陸 角川書店 2018年11月15日発行

Kadokawaのサイトより:戦慄と驚愕の幻視サスペンス!
「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。夢が記録されデータ化される時代、「夢判断」を手がける浩章のもとに、夢の解析依頼が入る。こどもたちの悪夢は現実化するのか?

こちらはグーグルブックスの紹介文より:夢の映像を記録した「夢札」、それを解析する「夢判断」を職業とする浩章のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、集団白昼夢。浩章はパニックに陥った子供たちの面談に向かうが、一方で亡くなったはずの女の影に悩まされていた。日本で初めて予知夢を見ていると認められた、結衣子。災厄の夢を見た彼女は―。 ...

感想:個人がみた夢を装置を通して他の人が映像として見られ、それを利用して問題を解決する世界の物語。
しかし、そこから何が得体の知れないことが起こっていくというホラー的作品。
この物語自体がまるで夢の中の出来事のように色々と不思議な不気味な事が起こる。それに主人公が右往左往していく中で話が進むのでスッキリしない展開だと思われても仕方がないかも。

しかしながら、個人的にはかなり興味深かった。
けっこう分厚い本なので少しずつ読んでいったが、読み終わってみると、なんだかこの流れで良いのだと思える不思議さ。まるで夢を見返しているような話だなと思った。

分厚い本なのだが、4分の3くらいのところで怪物が出てくる映画の話が出てくる。それがまるっきりこの物語自体に当てはまるというメタな構造になってる。
「・・あれはどういうバケモノだったんでしょうね。全貌は、とうとう最後まで明かされなかったじゃないですか」というのはこの物語の夢に出てくるバケモノにも通じて、その正体は最後まで明かされない。
「・・・ある日突然、世界がそれまでに知っていたものとは変わってしま待っている。いつのまにか、その変わってしまった世界の中にいることに気付くんだけど、その中にいると、果たしてその世界がどういうものか、最後までわからないんじゃないでしょうか」
「時々一部分だけ姿を現すものが、その世界の一部だとわかるだけ・・しかもその部分はこれまで見たことがない、見知らぬ異形のもの。だから目にするたびに動転して、あたふたして、どう対応していいのか分からない」 P350〜351抜粋

この物語がそのままこの通りのものになっている。
そういうホラー作品。
そしてこのセリフはそのまま全般的に夢にも当てはまるなあとも思える。
でも怖い夢ばかり見るわけじゃないとは思うので、あてはまるのは怖い夢に限るのかな?
夢判断のフロイトや夢分析のユングがこれをみたら喜んだかもしれないと思ってしまった。特にラストあたりではユングに近い見解が書かれてるのかな~って思ったんだけど。

ところで、タイトルの「夢違」というのは、悪い夢を良い夢に違えてくれる観音菩薩のことを指してます。奈良・法隆寺の夢違観音が有名で、この物語の最後もそこが舞台になってます。
いつか見に行きたいね^^。

以上。
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