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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「斜め屋敷の犯罪」 島田荘司 南雲堂 2008/3

あらすじ:宗谷岬のはずれ、オホーツク海を見下ろし高台に建つ「斜め屋敷」へ集まった客。奇妙な造りの屋敷に突然起こる悲鳴が発端となる。深夜、3階の部屋の窓の外に男の顔が見えたと女性客が騒ぐ。もちろん窓の外は何もない。その翌日、客が一人密室で殺されていた。
そして雪の中をやってきた刑事たちが泊まる屋敷の中で次の事件が起こる。

(古い本で帯もないし、あとがきてきなものもなかったので自分で書いてみた)

感想:まず初めに思ったのは文体が古いこと。作中で今は1984年だと出ていた記憶があるので、そんな時代なのだけど、文章がさらに古くてもっと前の世代を感じてまった。この人の本は初めて読んだので、こういう書き方なのかもしれないけど、ちょっと馴染めなかった。

それはさておき推理小説としては「ミステリーサークル系」で、とある場所に閉じ込められた中で人が殺され、犯人はこの中にいるという状況の作品。犯人は誰だ?というのを解いていく。
もっとも代表的なのはクリスティの「そして誰もいなくなった」。
ミステリーサークルは今でもいろんな人が書いていて面白いので、そういう本を見つけると読むことにしている。この斜め屋敷もその一つだったんだけど・・。

犯人はほどなく分かるけど、どうやって密室殺人がというのは全く不明。そもそも斜め屋敷というのが作中で構造図がでてくるんだけど造りの理解が追い付かなかった(笑)。

それと、探偵役の人物が後半で出てくるが、なんだか馴染めないままで終わってしまったのも今一つだったなあ。

以上簡単に感想でした。

追記:この春に図書館に予約を入れた本の2冊がこのミステリーサークル系ですが、順番が回ってくるのは来年の夏ごろになりそう^^;。
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「まろ丸 伊勢参り」 畠中惠 角川書店 2025/8 出版

帯より:「旅に出てみなければ、見られない景色がある」
六十年に一度、皆が伊勢神宮へ向かう、おかげ参りの年。六つになる名の結に、大坂の大店の跡取りになる養子話が舞い込んだ。しかし、本家からの迎えは来ず何故か伊勢まで結を連れて来て欲しいと文が届く。どうして江戸にいる姪が選ばれたのか疑問に思う姉に頼まれ、両替商の三男坊、九郎は結を伊勢まで送り届けることに。仔犬のまろ丸をお供に、己の居場所が密かからない九郎と、大店の財を都合としている結が、明日を懸けて東海道を西へ行く!

感想:帯を読んだ限りでは割と気軽な道中記かなと思ったのだが、気軽なというのはとっかかりから違っていて、訳がわからないトラブルに巻き込まれた九郎が苦労する話になっている。
三男坊なのに名前が九郎というのはきっと苦労に掛けてるんだろう。

作中では、いろんな宿場を歩いていくのだが、随所で巻き込まれるトラブルが描かれつつ先へと進んでいく。
旅の出だしからトラブルが起こるので、まるでトラベルはトラブルみたいな話だと思ってしまう。

東海道を名古屋あたりまで進み、そこから伊勢街道へと進む旅。
途中で名前だけ出てくる宿場もたくさんあって、さっと読んでるとどこまで歩いたのか分からなくなってしまうので、東海道や伊勢のマップなどがあると頭に入りやすいかと思った。

そこで一度読み終えた後、ネットでマップを見たり、出てきた区間を歩く動画を見ながら読み直して見ると、なるほどこんなところを歩いてる想定で書かれたんだというのが少しは深くわかった気がする。
箱根関所前、小田原あたりからの道と、宇津谷峠、小夜の山中、浜名湖、伊勢外宮などなどは動画やネットでマップを表示させながら読み直した。
こういう本の読み方、楽しみ方もありかな^^。

いくつか気になったところはある。があまり細かいところを気にしていても仕方がない。
そういう流れなんだと思い直して再読した。


あと、化け猫の話が出てきたり(と言っても話だけ)幽霊話が出てきたりというのもあった。
やっぱりしゃばけの作者なんだなと妙に納得したのだった(笑)。
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「愛なき世界」 三浦しをん 中央公論社 2018年9月発行

帯より:洋食屋見習い・藤丸が恋した本村は、三度の飯より“植物“の研究が好き。見た目が殺し屋の教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、変わり者たちに囲まれながら、藤丸の恋は、本村の研究は成就するのか? 世界の隅っこが輝き出す傑作長編。

感想は長くなりすぎるので割愛(笑):物語の舞台はT大学の生物科学部研究室とそのT大赤門前にある洋食店。植物の研究で博士を目指す本村と料理の道を進む藤丸を中心として研究室での出来事や、本村の研究の行方などが描かれる。
大学の研究室というのがこんなものなのか、というのも垣間見ることができるのも面白いし、そこに集う人たちの変人ぶり?も面白い。

気になった文章の書き抜き:P104 ケヤキを見た瞬間の本村の衝動。
「どうしてケヤキはこういう形で枝をのばすの。どうして植物によって歯の形やつきかたが違うの。知りたい、知りたい、知りたい。一体どういう仕組みで、植物は、私たちは、自らの形を決定づけ生命活動をしているの。」

この後本村は大学院へ進もうと決意し、植物の研究に携わることになる。でもこの思いはすっごくよくわかるなあ。

P340 本村が家にある鉢植えを見て思う。
「不思議だなあと思う。言語を持たず、気温や季節という概念すらないのに、植物はちゃんと春を知っている。温度計や日記帳を駆使せずとも『これは小春日和ではなく、本物の春だ。そろそろ例年とおり、活発に生命活動をする時期が来た』と判断し記憶できる。
翻ってみて人間は脳と言語に捕らわれすぎているのかもしれない。苦悩も喜びも全て脳が生みだすもので、それに振りまわされるのも人間だからこその醍醐味だろうけど、見方を変えれば脳の虜囚とも言える。鉢植えの植物よりも、実は狭い範囲でしか世界を認識出来ない、不自由な存在。」

脳も意識もない植物は愛のない世界に生きてるという本村だけど、最後に藤丸が言う。

P444 「・・・一年近く考えて、本村さんや研究室のひとたちのことを見てて、なんとなくわかった気がするんです。本村さんは、愛のない世界を生きる植物のことをどうしても知りたいんだ。だからこんなに情念を持って研究するんだ、って」
「その情熱を、知りたい気持ちを『愛」って言うんじゃないすか? 植物のことを知りたいと願う本村さんも、この教室にいる人たちから知りたいと願われている植物も、みんなおんなじだ。同じよいうに、愛ある世界を生きている。俺はそう思ったっすっけど、違うっすか?」

本村はこの言葉に「ありがとうございます。藤丸さん」と答える。
愛のない世界、でもそれは本村がそう思っていただけだっただろうとい雨ところで終わる。この先どうなるのかは描かれていないけれど、何かの希望の兆しが見えるような終わり方に思えた。
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