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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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夏への扉 ハインライン ハヤカワSF (2020年版 元は1956年)

裏表紙より:ぼくの飼い猫ピートは、冬になるときまって『夏への扉』を探しはじめる。家にあるどれか一つが夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年2月、ぼくもまた『夏への扉』を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは失ったものを取り戻すことができるのか。

感想あれこれ:
再読のはずなのだけど内容を随分と忘れてしまっていた。初めの数十ページはなんとなく覚えてたので、ダラダラと読んでいたが展開がいかにも古い時代だなあと思ったりしていた。
多分以前読んだ時はそこまで思わなかったと思う。でも今回は、送りこまれたという2000年だってとっくに過ぎていて、主人公の発明品にしても実際に連想させるような品もできているという時代になっているんだなあ、と改めて思ってしまった。
後半に入ると急展開するのでそこからがなかなか面白くて一気に読み終えてしまった。

この作品の初版が1956年。今から70年近く前のことだ。当時の人が70年をどう見ていたのかそして2000年は遙か遠い未来だったのだろう。
そう思うとあれこれ合わせて遠くへ来たもんだなあって感じもする(笑)。

もしかしたらまた何年か後に読み直してるかもしれない。
その時また内容を忘れていたらどうしましょう^^;。
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カーテンコール 加納朋子 新潮社 2017年発行

帯より:
幕が下りた、と思ったその先に、本当の人生が待っていた。

閉校が決まった萌木女学園。
私達はその最後の卒業生、のはずだったーー。
「ワケあり」
の私達に与えられた半年の猶予。ただし、外出、ネット、面会、全部禁止!
これじゃ軟禁生活じゃない!!

補足:上の帯よりはできるだけ帯に書いてある通りに一部フォントを大きくしたり色を変えてみた(笑)。

感想:短い作品の作品集かなと思って読み始めたら、実は6つの章からなる連作で一つの作品。実は、一番初めの章にあたる作品がまるで女学園とは関係ないような展開で始まっていて、しばらくそれがどんな意味なのかわからないまま進んでいく。
ところがこれが推理小説にある叙述トリックで、その章の途中でどんでん返しがある。そこからこの話がスタートするのだが、このトリックで一気に引き込まれて続けて読み切ってしまった。

う〜ん、自分って単純だなあ^^;。


それにしても、加納朋子が取り上げる作品の題材は色々と面白い。現代ならではの問題や、専門的なことも取り上げている。
今回の作品では心の問題、心の病やら在り方というのものが主だ。それらを抱えても尚且つ少し前に向けるようにと校長の思惑が見え隠れする。そして最後がこの学校を閉鎖することになった校長の思いが描かれている。ここにも叙述トリックがあって、読み終えてホッとするのだ。

2017年の発行ということなのでそろそろ10年ほど前の題材なのだろうけど、人の心はいつになってもそう大きくは変わらない。今でも十分ホッとできる作品だと思う。
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「新世界より」上下巻 貴志祐介  2008年 講談社

内容紹介:1000年後の日本で、注連縄に囲まれた神栖六十六町に住んでいる子供達の物語。町では人々が呪力という超常的な力を持ち、ハダカネズミという種を使役して暮らしている。
12歳の渡辺早季とその仲間が町の外でミノシロモドキという不思議な生き物と出会い、そこからハダカネズミと戦いに巻き込まれて行く中で、1000年の間に何が起こったのかが徐々にわかっていくという展開。

物語は早季が12歳から始まって26歳で終わる。その間に6つの章があり、後半(下巻)の3章は26歳時点になる。その出来事を早季が後日にまとめたものというのがこの本の構成になっている。

ジャンルで言えばSFになるそうだ。極めて日本的なSFで、日本の文化や歴史の名残が物語のあちらこちらに散りばめられている。仏教というか密教的な真言だったり、注連縄は神道的な名残だったり、歴史的には昔の人物の話が出てきたり。

個人的な感想:さくさく読み進められると思うが、ところどころに出てくる文章がとても気になってしまった。後日にまとめた文章だからなのか、随所で「その時は大変なことになるとは思わなかったのだ」と言った記述が出てくる。それがくどいなあと思ってしまった。
加えて、下巻に出てくる生き物の名前の羅列や描写が細かすぎるのはどうなんだろう。これも少し辟易した。

早季は、過去の人間がどんなに酷かったのだろうと、色々なところで考えてしまう。戦争や人を殺すための武器や、言葉遣いまでにすらそれを感じてしまうのだ。例えば「赤子の手を捻る」ってそんなことを口にするなんて考えられない」といったもの。
それも結構頻繁に出てくるんだが、これって、作者が今の人間や社会をこうみているのだと言いたいだろうかと思ってしまった。

 ただ最後の最後に「けっして信じたくはないが、新しい秩序とは夥しい流血によって塗り固めなければ誕生しないものなのかもしれない」と早季は思い直す。
それは何があってもハダカネズミとの戦いの後にさらに新たな世界を築こうという意志のようだと思えた。加えてそれまで早季が感じていた酷いことをしてきた人間に対しての新たな視点だろう。

早季が「新世界より」の歌を聴きながら涙するのは、そこにあるどうしようもない悲しみを感じているんだろうなとも思えたのでした。

この「けっして信じたくはないが」の一文がなかったらこの世界はこの先どんどんと削られ消えてしまうのだろうと下巻は少し鬱々と読んでいたのだが、投げ出さず読み終えて良かったというのが読み終えた瞬間の感想でした。
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