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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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今日も朝から強烈な日差しになってます。
この夏は異常な酷暑だったそうですが、体感的には夏はまだ終わってないんだよねえ。

昨日の日中も暑さからなのか、体が重くてダラダラとしていました。

で、新たに借りた「愛なき世界」をパラパラとめくっておりました。
感想と言うほどではないんですが・・
最後の方に主要参考文献のリストが載ってまして、植物関係の本だけで15冊。
このリスト、読んでみたいなと思う本がたくさんでそれだけでワクワクしてしまいました。

中身は446ページもある分厚い作品ですが、ちょこっと読んでみてとても面白いです。
面白いというか、興味深くて、読み進めるのが「もったいない」程です(笑)。
なので少し読んではページを閉じて余韻を味わい、また少し読んでと言う具合に読んでます。

読んでしまうのがもったいないと感じる本は久しぶりです。

読まなくちゃどんな話かわからないはずなのだけど、
ごく稀に少し読んだだけのところで読み終えるのがもったいなく思える本に出逢います。
読み終えて面白かった〜ではなくて読みかけでそう思えるのは理屈に合わない。

でも自分ではそれがしっかりとした感覚なのも不思議です。
だからといって、不思議な力があるとかじゃないでしょう。
そもそもそんな力があったところで生活に役立つものでもないでしょ(笑)。

それは先入観とか思い込みからなのかもしれませんが、
そうして読み終えてみるとやっぱり面白いのも確か。

それとその感じを楽しでいられる自分がいるのも確か。

稀な出会いだから余計に楽しいのかもしれないなあ。
勿体無いけど、今日も少しずつ読んでいきましょう。

では良い一日になりますよう。
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「てるてるあした」 加納朋子 幻冬舎 2005年5月発行 

あらすじ:(Wikiより)
十五歳の雨宮照代は両親の作った借金のために進学をあきらめて、夜逃げを余儀なくされた。両親と別れて佐々良という小さな町を一人訪れた照代は鈴木久代と言う遠い親戚にあたる女性と暮らすことになる。その夜、母から与えられた携帯電話に一通のメールが届く。
以下追加 その後、佐々良の住人との出会いそして、久代の家に現れる幽霊との関わりを通して照代は成長しこの町の高校に入学を目指して勉強を始めたのだった。

感想:
主人公は照代だが、前作の「ささやさら」の登場人物、さら、息子のユウスケほか三人のおばあさんたちが色々なところで何かを示すので、前作を読んでからの方が楽しめるかな。

ひとつだけ感想を書いておく。
この作品、途中まで読んでいると久代の言動が単に厳しいだけではなく、それらが深い意味を持っている事、そしてそれに気付かない照代に切なくなってしまう。
最終章まで行く前、半分くらい読んだ辺りから少し顛末が想像できるようになり、ウルウルきてしまったのでした。^^;
でも、最後の最後で、照代がこの先なんとかこの町で頑張っていくのが見えてホッとします。

作中で気に入ったセリフ。幽霊が見えたと言う照代に久代が言った言葉。
「あんたは何でも、はっきり説明されなけりゃ気が済まない性分みたいだね。だけどね、世の中吉のt言葉にできることばっかりじゃないんだよ。目に見えないもの、触れないもの、説明しようのないものってのは、実際にあるんだ。それを無理矢理言葉にしてみたところで、物事の本質とずれてしまうのが関の山さ。自分自身の気持ちだって、言葉にした途端、何か別のものに変わっちまう。言葉なんて、無力なもんさね。あんたが見たものにしたってそうさ。そこであれこれ言って、それで何になる? それは確かにいたんだろう。だけど、それについてぴいぴいぎゃあぎゃあ騒ぐだけ無駄ってもんさ。そんなことよりはあんた、もっと大事なことがあるだろうに」

その時々の状況に振り回されて自分がやるべき事を見逃してはいけないのだ、だってあんたの時間はかぎられてるんだから。
きっとこれは歳を取ったからこの言葉が実感できるんでしょう。

うん、自分が大事なことをきちんと見据えて限られた時間を生きていこうと思わせてくれた作品でした。
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「街とその不確かな壁」 上下巻 村上春樹 新潮文庫 2025年5月

上巻裏表紙より:十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰をおろし、“街“について語り出すーーそれが物語の始まりだった。高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。そこに“本当の君“がいるという。<古い夢>が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀枝の葉、角笛と金色の獣たち。しかし、その街では人々は影を持たない・・・村上はるきが封印してきた「物語」の扉が今開かれる。
帯:ねえ、わかった? わたしたちは誰かの影に過ぎないのよーー

下巻裏表紙より:図書館のほの暗い館長室で、「私」は「子易さん」に問いかける。孤独や悲しみ、“街“や“影“について・・・。そんなある日、『私」の前に不思議な少年があらわれる。イエロー・サブマリンの絵のついたヨットパーカーをきて、図書館のあらゆる本を読み尽くす少年。彼は自ら描いた謎めいた“街“の地図を携え、影を捨てて壁の内側に入りたいと言うーー二つの世界を往還する物語がふたたび動き出す。
帯:きみが、その街を教えてくれたーー

感想:あまりにもたくさんあり過ぎて書ききれないので、気になった点だけ残しておく。
1)第一部の「きみ」について。まず第一部でどうなったのか?
その答えは第二部で少年がどうなったかと重なるので、そう言うものだと捉えるのならそれはそれでアリだと思うが、その後の「きみ」が果たして図書館の少女なのだろうか、そうだとも言えるしそうでもないとも言えると言うのが答え。

2)単角の金色の獣がなんなのか。これは深層心理学的にとても興味があるんだけど(笑)。もちろん作中にも、作中以外にも答えは出てこない。おそらく筆者も知らないんだろう。けれどこの獣を描くことは必要であり、重要な要素であることは間違いない。
読み手としてはどう見立てれば良いかとワクワクする。

3)第二部に出てくるコーヒーショップの女店長が気になる。その後は出てこないが、この店長も第一部の「きみ」の延長線上にいる存在。そして第二部に出てくる少年は「私」の延長線上にいる構成になってる。

4)第一部が「街」について描いていて、第二部ではその街に残ったはずの「私」が現実に戻って、やがて自分の後継者とも言える少年を連れて街に戻るというのが第三部。
そこに作者の無意識的な意図が隠れているようでこの展開も面白いかな。
あとがきでも「世界の終わり・・」とは別の展開と言ったことを書いてあったが、まさに別展開になったと思う。「世界の終わり」が流れで書かれたものだとすると、「街」は流れに任せるのではなく流れを造った物語だろう。

とりあえずはこの4つを記しておく。

村上春樹の多くの作品は、そこに描かれたものを「なぜ」や「どうして」を問わずにあるがままの文章を味わう、そこから何を思うのかは読み手の味わい方だと思う。
「夢読み」人の夢を読むことがそう言うものであり、受けとって手の中で温めていると自然に何かを伝えてくれるのと同じだから。

以上



と思ったけど追記(笑)。
街ってなに?不確かな壁って何?に対する「一つ」の答え。
『ATフィールドは誰もが持っている心の壁』 by 渚カヲル
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