ちりぬるをわか
日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。
「方舟」 夕木春央 講談社 2022/9出版
あらすじ:山中に埋められた船のような施設の中に閉じ込められた10人。なんとか脱出を考えて施設の中を探っていく中で一人が殺された。
さらにこの施設は、地下水が上がってきていて1週間で水没すると分かった。
施設の扉を開けるためには誰かが生贄にならなくてはいけない。その一人は殺人犯人であるべきだろうと誰もが思い始める。
水が少しずつ増してくるなか犯人探しが始まるが、第二第三の殺人が起きてしまう。犯人は残った7人の中に必ずいるという状況の中、犯人探しが進んでいく。
(あらすじは帯がなかったので自分で書いた)
プロローグの抜粋:『・・・助けを呼びたかったが、スマホは圏外だった。地下だから当たり前だが、地上に出られたとしても、ここは人里離れた山奥である。
中略
僕らは生贄を選ばなくてはならない。そうしなければ、全員が死ぬことになる。どうやって選ぶのか? 死んでもいいのは、ー死ぬべきなのは誰か? それは彼を殺した人物以外にない。
・・タイムリミットまでおよそ一週間。それまでに僕らは殺人犯を見つけなければならない。』
感想:プロローグでj引き込まれて一気に読んでしまった。
途中でこの人が犯人ではと思う場面がいくつかある。
人数が限られているので犯人が誰かは見当がつきやすいのかも。
しかし脱出直前の場面がエピローグになっていて、そこで大どんでん返しが書かれている。
思わずゾクッとしてしまった。そして、すっかり犯人(作者)に騙されていたことに「しまったやられたっ!」と思ってしまったのだった。
タイトルの「方舟」は言わずと知れた旧約聖書のノアの方舟。
プロローグの前のページにも旧約聖書で、神が洪水をおこし人々を死に至らしめるなか、ノアを助けると契約する場面の文が載せられている。
このことをもっと頭入れてながら読むべきだったか。
もちろん物語の舞台として、山中の船に似た施設、そこに水が溜まってきて中の人が死ぬかという状況などがノアの方舟を連想させる。
しかしもっと細かいところで、水没まで一週間とかいうのもノアの方舟での(洪水の後、鳩を放って一週間たっても戻ってこなかったになぞらえてる?)関係があるのか? プロローグにある契約の内容がどうだとか、そういったこともこの推理作品を読むヒントになっていたのではと、読み終えてから気が付いたのだった。
う~ん、でも面白かった^^。
あらすじ:山中に埋められた船のような施設の中に閉じ込められた10人。なんとか脱出を考えて施設の中を探っていく中で一人が殺された。
さらにこの施設は、地下水が上がってきていて1週間で水没すると分かった。
施設の扉を開けるためには誰かが生贄にならなくてはいけない。その一人は殺人犯人であるべきだろうと誰もが思い始める。
水が少しずつ増してくるなか犯人探しが始まるが、第二第三の殺人が起きてしまう。犯人は残った7人の中に必ずいるという状況の中、犯人探しが進んでいく。
(あらすじは帯がなかったので自分で書いた)
プロローグの抜粋:『・・・助けを呼びたかったが、スマホは圏外だった。地下だから当たり前だが、地上に出られたとしても、ここは人里離れた山奥である。
中略
僕らは生贄を選ばなくてはならない。そうしなければ、全員が死ぬことになる。どうやって選ぶのか? 死んでもいいのは、ー死ぬべきなのは誰か? それは彼を殺した人物以外にない。
・・タイムリミットまでおよそ一週間。それまでに僕らは殺人犯を見つけなければならない。』
感想:プロローグでj引き込まれて一気に読んでしまった。
途中でこの人が犯人ではと思う場面がいくつかある。
人数が限られているので犯人が誰かは見当がつきやすいのかも。
しかし脱出直前の場面がエピローグになっていて、そこで大どんでん返しが書かれている。
思わずゾクッとしてしまった。そして、すっかり犯人(作者)に騙されていたことに「しまったやられたっ!」と思ってしまったのだった。
タイトルの「方舟」は言わずと知れた旧約聖書のノアの方舟。
プロローグの前のページにも旧約聖書で、神が洪水をおこし人々を死に至らしめるなか、ノアを助けると契約する場面の文が載せられている。
このことをもっと頭入れてながら読むべきだったか。
もちろん物語の舞台として、山中の船に似た施設、そこに水が溜まってきて中の人が死ぬかという状況などがノアの方舟を連想させる。
しかしもっと細かいところで、水没まで一週間とかいうのもノアの方舟での(洪水の後、鳩を放って一週間たっても戻ってこなかったになぞらえてる?)関係があるのか? プロローグにある契約の内容がどうだとか、そういったこともこの推理作品を読むヒントになっていたのではと、読み終えてから気が付いたのだった。
う~ん、でも面白かった^^。
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「斜め屋敷の犯罪」 島田荘司 南雲堂 2008/3
あらすじ:宗谷岬のはずれ、オホーツク海を見下ろし高台に建つ「斜め屋敷」へ集まった客。奇妙な造りの屋敷に突然起こる悲鳴が発端となる。深夜、3階の部屋の窓の外に男の顔が見えたと女性客が騒ぐ。もちろん窓の外は何もない。その翌日、客が一人密室で殺されていた。
そして雪の中をやってきた刑事たちが泊まる屋敷の中で次の事件が起こる。
(古い本で帯もないし、あとがきてきなものもなかったので自分で書いてみた)
感想:まず初めに思ったのは文体が古いこと。作中で今は1984年だと出ていた記憶があるので、そんな時代なのだけど、文章がさらに古くてもっと前の世代を感じてまった。この人の本は初めて読んだので、こういう書き方なのかもしれないけど、ちょっと馴染めなかった。
それはさておき推理小説としては「ミステリーサークル系」で、とある場所に閉じ込められた中で人が殺され、犯人はこの中にいるという状況の作品。犯人は誰だ?というのを解いていく。
もっとも代表的なのはクリスティの「そして誰もいなくなった」。
ミステリーサークルは今でもいろんな人が書いていて面白いので、そういう本を見つけると読むことにしている。この斜め屋敷もその一つだったんだけど・・。
犯人はほどなく分かるけど、どうやって密室殺人がというのは全く不明。そもそも斜め屋敷というのが作中で構造図がでてくるんだけど造りの理解が追い付かなかった(笑)。
それと、探偵役の人物が後半で出てくるが、なんだか馴染めないままで終わってしまったのも今一つだったなあ。
以上簡単に感想でした。
追記:この春に図書館に予約を入れた本の2冊がこのミステリーサークル系ですが、順番が回ってくるのは来年の夏ごろになりそう^^;。
あらすじ:宗谷岬のはずれ、オホーツク海を見下ろし高台に建つ「斜め屋敷」へ集まった客。奇妙な造りの屋敷に突然起こる悲鳴が発端となる。深夜、3階の部屋の窓の外に男の顔が見えたと女性客が騒ぐ。もちろん窓の外は何もない。その翌日、客が一人密室で殺されていた。
そして雪の中をやってきた刑事たちが泊まる屋敷の中で次の事件が起こる。
(古い本で帯もないし、あとがきてきなものもなかったので自分で書いてみた)
感想:まず初めに思ったのは文体が古いこと。作中で今は1984年だと出ていた記憶があるので、そんな時代なのだけど、文章がさらに古くてもっと前の世代を感じてまった。この人の本は初めて読んだので、こういう書き方なのかもしれないけど、ちょっと馴染めなかった。
それはさておき推理小説としては「ミステリーサークル系」で、とある場所に閉じ込められた中で人が殺され、犯人はこの中にいるという状況の作品。犯人は誰だ?というのを解いていく。
もっとも代表的なのはクリスティの「そして誰もいなくなった」。
ミステリーサークルは今でもいろんな人が書いていて面白いので、そういう本を見つけると読むことにしている。この斜め屋敷もその一つだったんだけど・・。
犯人はほどなく分かるけど、どうやって密室殺人がというのは全く不明。そもそも斜め屋敷というのが作中で構造図がでてくるんだけど造りの理解が追い付かなかった(笑)。
それと、探偵役の人物が後半で出てくるが、なんだか馴染めないままで終わってしまったのも今一つだったなあ。
以上簡単に感想でした。
追記:この春に図書館に予約を入れた本の2冊がこのミステリーサークル系ですが、順番が回ってくるのは来年の夏ごろになりそう^^;。
「まろ丸 伊勢参り」 畠中惠 角川書店 2025/8 出版
帯より:「旅に出てみなければ、見られない景色がある」
六十年に一度、皆が伊勢神宮へ向かう、おかげ参りの年。六つになる名の結に、大坂の大店の跡取りになる養子話が舞い込んだ。しかし、本家からの迎えは来ず何故か伊勢まで結を連れて来て欲しいと文が届く。どうして江戸にいる姪が選ばれたのか疑問に思う姉に頼まれ、両替商の三男坊、九郎は結を伊勢まで送り届けることに。仔犬のまろ丸をお供に、己の居場所が密かからない九郎と、大店の財を都合としている結が、明日を懸けて東海道を西へ行く!
感想:帯を読んだ限りでは割と気軽な道中記かなと思ったのだが、気軽なというのはとっかかりから違っていて、訳がわからないトラブルに巻き込まれた九郎が苦労する話になっている。
三男坊なのに名前が九郎というのはきっと苦労に掛けてるんだろう。
作中では、いろんな宿場を歩いていくのだが、随所で巻き込まれるトラブルが描かれつつ先へと進んでいく。
旅の出だしからトラブルが起こるので、まるでトラベルはトラブルみたいな話だと思ってしまう。
東海道を名古屋あたりまで進み、そこから伊勢街道へと進む旅。
途中で名前だけ出てくる宿場もたくさんあって、さっと読んでるとどこまで歩いたのか分からなくなってしまうので、東海道や伊勢のマップなどがあると頭に入りやすいかと思った。
そこで一度読み終えた後、ネットでマップを見たり、出てきた区間を歩く動画を見ながら読み直して見ると、なるほどこんなところを歩いてる想定で書かれたんだというのが少しは深くわかった気がする。
箱根関所前、小田原あたりからの道と、宇津谷峠、小夜の山中、浜名湖、伊勢外宮などなどは動画やネットでマップを表示させながら読み直した。
こういう本の読み方、楽しみ方もありかな^^。
いくつか気になったところはある。があまり細かいところを気にしていても仕方がない。
そういう流れなんだと思い直して再読した。
あと、化け猫の話が出てきたり(と言っても話だけ)幽霊話が出てきたりというのもあった。
やっぱりしゃばけの作者なんだなと妙に納得したのだった(笑)。
帯より:「旅に出てみなければ、見られない景色がある」
六十年に一度、皆が伊勢神宮へ向かう、おかげ参りの年。六つになる名の結に、大坂の大店の跡取りになる養子話が舞い込んだ。しかし、本家からの迎えは来ず何故か伊勢まで結を連れて来て欲しいと文が届く。どうして江戸にいる姪が選ばれたのか疑問に思う姉に頼まれ、両替商の三男坊、九郎は結を伊勢まで送り届けることに。仔犬のまろ丸をお供に、己の居場所が密かからない九郎と、大店の財を都合としている結が、明日を懸けて東海道を西へ行く!
感想:帯を読んだ限りでは割と気軽な道中記かなと思ったのだが、気軽なというのはとっかかりから違っていて、訳がわからないトラブルに巻き込まれた九郎が苦労する話になっている。
三男坊なのに名前が九郎というのはきっと苦労に掛けてるんだろう。
作中では、いろんな宿場を歩いていくのだが、随所で巻き込まれるトラブルが描かれつつ先へと進んでいく。
旅の出だしからトラブルが起こるので、まるでトラベルはトラブルみたいな話だと思ってしまう。
東海道を名古屋あたりまで進み、そこから伊勢街道へと進む旅。
途中で名前だけ出てくる宿場もたくさんあって、さっと読んでるとどこまで歩いたのか分からなくなってしまうので、東海道や伊勢のマップなどがあると頭に入りやすいかと思った。
そこで一度読み終えた後、ネットでマップを見たり、出てきた区間を歩く動画を見ながら読み直して見ると、なるほどこんなところを歩いてる想定で書かれたんだというのが少しは深くわかった気がする。
箱根関所前、小田原あたりからの道と、宇津谷峠、小夜の山中、浜名湖、伊勢外宮などなどは動画やネットでマップを表示させながら読み直した。
こういう本の読み方、楽しみ方もありかな^^。
いくつか気になったところはある。があまり細かいところを気にしていても仕方がない。
そういう流れなんだと思い直して再読した。
あと、化け猫の話が出てきたり(と言っても話だけ)幽霊話が出てきたりというのもあった。
やっぱりしゃばけの作者なんだなと妙に納得したのだった(笑)。