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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「私の家では何も起こらない」 恩田陸 メディアファクトリー 2010/1/8発行

KADOKAWA HPの紹介文より:小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。ようこそ、恩田陸の幽霊屋敷へ!
小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。キッチンで殺しあった姉妹、少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年…。そして驚愕のラスト!

注:この本は2010年にメディアファクトリーから単行本として出版され、その後2016年に角川文庫として出版。単行本の紹介がなかったので、文庫本の紹介を載せる。

感想:丘の上の古い家での出来事が連作で収められている。
最初と最後の作品だけ同じ主人公(作家)だがそのほかはそれぞれ中心人物が違い、ほとんどが中心人物の語りで話が進む。
読んでいくと、この古い家はここで亡くなった人たちの幽霊が集まっている(残っている?)場所で、そこを買って暮らしていくと作家にその幽霊たちの思い出というか思念伝わってきてるというのが最後にわかる。
最初と最後以外は、時代が分からない。
そしてそれぞれかなり酷い死に方をして幽霊として家にいる話なので、正直あまり気持ちがよいものではないのだが、どこか夢の中の出来事のように書かれてると思えてしまう。

この作家の章のあと、附記という章があって、そこにこの連作を読んだ人物がいろいろと考察をしていく。という変わった章が設けられている。
そこで夢についていろいろと書かれているのだが、この小説は夢なのかと考えていく。
その中に「胡蝶の夢」が出てきて、それになぞらえて、この小説ももしかしたら誰かの夢なのかもしれない、あるいは自分自身も夢の中にいるのかもしれないと考えながら章が閉じる。(p198)

読み終えてみて、この作者は、もしかしてこういうホラー系の話を描く際に夢に何かしらのヒントを得てるんじゃないか? と思った。
前に読んだ「夢違」でも少し思ったが、作品を読んでいると時間や場所が失せいくような不思議な感覚になってしまう。
時間や出てくる人の不確かさなどがまるで夢幻に思えてしまうのでした。

そもそもこの物語の舞台がどこなのかもはっきりしない。読んでいると何となくイギリスなのかなとおもうような描写があったりするけど、どことは書かれていない。黒兎がこの丘にいるとか、クリスティの名前が出てくるとかでなんとなくそう思うのかもしれない。その不確かさも夢を思わせているのだろう。

面白かどうかでいえば首を捻ってしまうけど、話の内容より書き方が興味深い、不思議な作品でした。この作者のホラー系をもう一つ読んでみて夢が関係してるか見てみたいと思う。

以上
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