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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「猫と針」 恩田陸 新潮社 2008/2/20発行

新潮社HPより:
高校時代の友人が亡くなり、映画研究会の同窓生男女5人が葬式帰りに集まった。小宴がはじまり、四方山話に花が咲くが、どこかぎこちない面々。
誰かが席を外すと、残りの仲間は、憶測をめぐらし不在の人物について語り合う。
やがて話題は、高校時代の不可解な事件へと及んだ……。
15年前の事件の真相とは? 
そしてこの宴の本当の目的は? 
著者が初めて挑んだ密室心理サスペンス劇。

感想:
2026/05/02の読書ノート26-19「朝日のようにさわやかに」の短編集に入ってる「楽園を追われて」と同じモチーフだ、と図書館の紹介文を見て思った。もしかしたらその続き的なものが書かれてるのかと思って借りた。

しかし「楽園を」は『葬式帰りの中年男女四人が、居酒屋で何やら話し込んでいる。彼らは高校時代、文芸部のメンバーだった。同じ文芸部員が亡くなり、四人宛てに彼の小説原稿が遺されたからだ。』であり、こちらはもっと作りこまれた作品になっている。

何より大きな違いは、これが舞台演劇の戯曲として書かれたものだったということ。
本を開いてから、役者のセリフがつらつらと並んでいる。
ほとんど会話だけで話は進むものだが、時折入るト書きで状況は把握できるのが面白い。

そいう言えばもうずいぶん若い頃、一時期、戯曲を続けて読んでいたことがあって、
の頃のことを思い出してしまった(笑)。

作品は、5人しか出てこない演劇。という閉じられた空間での物語で、何が起きているのか5人が疑心暗鬼になりながら探っていくという心理劇。
ただしこの5人の中で大きな事件が起こるわけでもなく、日常の延長線上の出来事のよもやま話から時間をさかのぼって深まっていくのが面白い。

そして高校時代の事件がなんなのか? はっきりしない点が残るけど、それですら時間の中にうもれてしまうんだろうなって思わせてくれる最後のモノローグ。

このあたりが恩田陸的なのかな? とも思ってしまった。
それが面白か面白くないかは読み手の判断に任されてる。

最後に筆者が戯曲を書くことになったいきさつとか、進行具合について「猫と針日記」という書き下ろしがおまけのように(笑)収められてる。
その中でなぜこんなタイトルになったのかが書かれているが、筆者もよく分かっていないらしい(笑)というのが一番面白かった。

以上
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