ちりぬるをわか
日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。
「墨のゆらめき」 三浦しをん 新潮社 2023年5月30日発行
あらすじ:都内の老舗ホテル勤務の続力(つづき・ちから)は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え依頼者の筆跡を模写するというものだった。(新潮社の本の紹介ぺーじより)
感想:初めにタイトルを見たときに思った内容とはかなり違ったが、これはこれで面白かった。主人公の続が遠田の無茶な要望に引き込まれていくうちに、書に惹かれていく。
細かい布石がさすがだなあと読み終えてから気が付くのだが、その中でも遠田が書いていた漢詩がこの物語全体を象徴するような気がしてしまった。
唐の時代の劉商という詩人が書いた「送王永」(おうえいを送る詩)。
君去春山誰共遊
鳥啼花落水空流
如今送別臨渓水
他日相思来水頭
ネタばれになるので事細かに書かないが、続はこの漢詩をもらって自分のアパートに飾るようになる。
そして後半、物語が大きく動き遠田の過去が語られると恩田は続にもう来ないようにと言い、仕事の依頼も断ってしまう。
続はどうしたいのかを悩むのだがこの漢詩を見て、考えても仕方がないまずは素直に動くべきだと遠田のもとを訪ね行く。
そして、「君がいないと誰とこの春の山を楽しめばいいのか」と恩田に伝えるのだった。
人には、相手がどんな人物だろうとつながりを持ち続けていたいと思う事があるのだろう。そういう人がいるのは幸いなことなのだ、とも思わせてくれる物語だった。
やっぱり三浦しをんの本は面白い^^。
あらすじ:都内の老舗ホテル勤務の続力(つづき・ちから)は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え依頼者の筆跡を模写するというものだった。(新潮社の本の紹介ぺーじより)
感想:初めにタイトルを見たときに思った内容とはかなり違ったが、これはこれで面白かった。主人公の続が遠田の無茶な要望に引き込まれていくうちに、書に惹かれていく。
細かい布石がさすがだなあと読み終えてから気が付くのだが、その中でも遠田が書いていた漢詩がこの物語全体を象徴するような気がしてしまった。
唐の時代の劉商という詩人が書いた「送王永」(おうえいを送る詩)。
君去春山誰共遊
鳥啼花落水空流
如今送別臨渓水
他日相思来水頭
ネタばれになるので事細かに書かないが、続はこの漢詩をもらって自分のアパートに飾るようになる。
そして後半、物語が大きく動き遠田の過去が語られると恩田は続にもう来ないようにと言い、仕事の依頼も断ってしまう。
続はどうしたいのかを悩むのだがこの漢詩を見て、考えても仕方がないまずは素直に動くべきだと遠田のもとを訪ね行く。
そして、「君がいないと誰とこの春の山を楽しめばいいのか」と恩田に伝えるのだった。
人には、相手がどんな人物だろうとつながりを持ち続けていたいと思う事があるのだろう。そういう人がいるのは幸いなことなのだ、とも思わせてくれる物語だった。
やっぱり三浦しをんの本は面白い^^。
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