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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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「てるてるあした」 加納朋子 幻冬舎 2005年5月発行 

あらすじ:(Wikiより)
十五歳の雨宮照代は両親の作った借金のために進学をあきらめて、夜逃げを余儀なくされた。両親と別れて佐々良という小さな町を一人訪れた照代は鈴木久代と言う遠い親戚にあたる女性と暮らすことになる。その夜、母から与えられた携帯電話に一通のメールが届く。
以下追加 その後、佐々良の住人との出会いそして、久代の家に現れる幽霊との関わりを通して照代は成長しこの町の高校に入学を目指して勉強を始めたのだった。

感想:
主人公は照代だが、前作の「ささやさら」の登場人物、さら、息子のユウスケほか三人のおばあさんたちが色々なところで何かを示すので、前作を読んでからの方が楽しめるかな。

ひとつだけ感想を書いておく。
この作品、途中まで読んでいると久代の言動が単に厳しいだけではなく、それらが深い意味を持っている事、そしてそれに気付かない照代に切なくなってしまう。
最終章まで行く前、半分くらい読んだ辺りから少し顛末が想像できるようになり、ウルウルきてしまったのでした。^^;
でも、最後の最後で、照代がこの先なんとかこの町で頑張っていくのが見えてホッとします。

作中で気に入ったセリフ。幽霊が見えたと言う照代に久代が言った言葉。
「あんたは何でも、はっきり説明されなけりゃ気が済まない性分みたいだね。だけどね、世の中吉のt言葉にできることばっかりじゃないんだよ。目に見えないもの、触れないもの、説明しようのないものってのは、実際にあるんだ。それを無理矢理言葉にしてみたところで、物事の本質とずれてしまうのが関の山さ。自分自身の気持ちだって、言葉にした途端、何か別のものに変わっちまう。言葉なんて、無力なもんさね。あんたが見たものにしたってそうさ。そこであれこれ言って、それで何になる? それは確かにいたんだろう。だけど、それについてぴいぴいぎゃあぎゃあ騒ぐだけ無駄ってもんさ。そんなことよりはあんた、もっと大事なことがあるだろうに」

その時々の状況に振り回されて自分がやるべき事を見逃してはいけないのだ、だってあんたの時間はかぎられてるんだから。
きっとこれは歳を取ったからこの言葉が実感できるんでしょう。

うん、自分が大事なことをきちんと見据えて限られた時間を生きていこうと思わせてくれた作品でした。
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