ちりぬるをわか
日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

長々と借りていた図書館の本。
今日はそのうちの一冊が返却日になっているので、図書館へ行ってこなくては。
年末に借りた本の中では、文庫本で出ているラフカディオ・ハーンの新編「日本の面影」が良かった。
他の本もそれなりに面白かったのだけど、この本には古き良き日本が書かれていて、懐かしさを覚えるような風景の描写がとても心地よかった。
当時、ハーンが日本のことをこれほどまで気に入って、そして詳しく書き残したのもおどろきだったが、そこに描かれる景色の描写がそれらを際立たせてくれた。
松江について書かれた「神々の国の首都」から一節を書き写しておこう。
ハーンが松江の家で目を覚ました早朝の光景から始まる。
「そしてまず、川沿いの庭に芽吹き始めた柔らかな新緑の茂みの向こうに、朝の様子を眺め渡すのである。眼下に流れる大橋川の幅広い鏡のような水面が、すべてをうつろに映し出し、きらきらと光っている。その水面は宍道湖へと注ぎ込み、灰色に霞む山々の緑まで、右手方向に大きく広がっている。川向うでは、尖った青い屋根の家々がどこも戸を閉め切っていて、まるでふたを閉じた箱のように見える。夜は明けたが、まだ日は昇っていない。
ああ、なんと心惹かれる眺めであろうか。眠りそのもののような靄を染めている、朝一番の淡く艶やかな色合いが、今、目にしている霞の中へ溶けこんでゆく。」
と言った調子で綴られているものです。
ハーンの捉え方も素晴らしいけど、それ以上にこの本の翻訳者がすごいのだとも思ってしまった。
新編と題されているのは、新たに訳しなおしたから。だけど、文章が今風の軽い感じではなく、ハーンの時代に見合った豊かさのある語彙を選んでいると思えた。それも難しすぎないような、しかし時代を感じさせる言葉遣い。
とても見事な翻訳文を読んでいるのだとも考えてしまったのでした。
この本は、歳時記的な、あるいは風景描写の文章が好きな人にはおすすめデスね。
個人的にこの本は手元に持っていても良いかな、と思えてしまった。
また中古で探してみましょ^^。。
今日はそのうちの一冊が返却日になっているので、図書館へ行ってこなくては。
年末に借りた本の中では、文庫本で出ているラフカディオ・ハーンの新編「日本の面影」が良かった。
他の本もそれなりに面白かったのだけど、この本には古き良き日本が書かれていて、懐かしさを覚えるような風景の描写がとても心地よかった。
当時、ハーンが日本のことをこれほどまで気に入って、そして詳しく書き残したのもおどろきだったが、そこに描かれる景色の描写がそれらを際立たせてくれた。
松江について書かれた「神々の国の首都」から一節を書き写しておこう。
ハーンが松江の家で目を覚ました早朝の光景から始まる。
「そしてまず、川沿いの庭に芽吹き始めた柔らかな新緑の茂みの向こうに、朝の様子を眺め渡すのである。眼下に流れる大橋川の幅広い鏡のような水面が、すべてをうつろに映し出し、きらきらと光っている。その水面は宍道湖へと注ぎ込み、灰色に霞む山々の緑まで、右手方向に大きく広がっている。川向うでは、尖った青い屋根の家々がどこも戸を閉め切っていて、まるでふたを閉じた箱のように見える。夜は明けたが、まだ日は昇っていない。
ああ、なんと心惹かれる眺めであろうか。眠りそのもののような靄を染めている、朝一番の淡く艶やかな色合いが、今、目にしている霞の中へ溶けこんでゆく。」
と言った調子で綴られているものです。
ハーンの捉え方も素晴らしいけど、それ以上にこの本の翻訳者がすごいのだとも思ってしまった。
新編と題されているのは、新たに訳しなおしたから。だけど、文章が今風の軽い感じではなく、ハーンの時代に見合った豊かさのある語彙を選んでいると思えた。それも難しすぎないような、しかし時代を感じさせる言葉遣い。
とても見事な翻訳文を読んでいるのだとも考えてしまったのでした。
この本は、歳時記的な、あるいは風景描写の文章が好きな人にはおすすめデスね。
個人的にこの本は手元に持っていても良いかな、と思えてしまった。
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