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ちりぬるをわか

日々のちょっとした事。で、いろんなことがあったりなかったり。

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どんよりとした、今にも雨が降り出しそうな空模様。

只今の読書は、「蒼ざめた馬」。
英語だとThe Pale Horseと言うのだけど、paleは日本だと色合いでペールホワイトとかいう具合に使われるあのペール。色彩だとペールは明度が高いので白っぽく(淡く)なる。
ここでのPaleは色を失ったという表現なので顔色を失った馬というのが意訳。それが転じて蒼ざめた馬と表現されるわけで・・・。
そういえば五木寛之だったか?興味が無く読んでいないので分からなけど、青ざめた馬を見よとかいう本があったような気がする。

それは置いといて、蒼ざめた馬というのは、ヨハネの黙示録に出てくる四体の騎士が乗る馬の1頭。青い馬は死を司る騎士が乗るとされている。つまり死を暗示させるのだが、これまた転じて殺人事件を意味する。

この作品、シェイクスピアのマクベスになぞらえているところがあって、三人の魔女(マクベスの冒頭に出てくる三人の魔女に見立てられている)が「蒼ざめた馬」という名前の家に暮らしていて、主人公が事件との関連で三人を尋ねるのだが、この先はまだ読んでいないのでどうなるのか興味津々^^。その前の章で主人公がシェイクスピアのマクベスを観劇に行ってその感想を友人と話す場面が出てくるのも全体の香りづけを施していて、上手く整えられた作品だなと、そこまででも思ってしまう。

作品の舞台も1960年台と、ポアロの時代から30年ほど過ぎた頃のイギリスが描かれているのもおもしろところ。

 一つ訳で気になったのが、登場人物の一人が「蒼ざめた馬」だったか「桃色の馬」だったかよく覚えていないという行がでてくる箇所。ここは訳注とか入れてもいいんじゃないかなって思ったりした。
件の登場人物はどうやらクリスティ自身がモデルじゃないかと思われ、しょっちゅう頭のなかがいっぱいで、文字通り頭を抱えてる探偵作家。というかなり自虐的な描き方になっている。

そして、この行、英語だと蒼ざめた馬はPale horse。桃色の馬だとPink horse。Pで始まるところだけ合っているが、作家は頭が一杯でどっちだったか覚えてないというのだ。これが単に日本語として訳されてしまっては、この頭いっぱいの作家像のもつ自虐的な面白さがピンと来ないんじゃないかなと思ったりして。

というところで続きを読みましょ。^^

あ、そうだ。次に図書館に行ったらシェイクスピアのマクベスも借りてこようかな。
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